今日は現代文について。
小論文のトレーニングに関して、書くこと、つまり構成し、主張を言語化していくことは、当然ながら大切ですが、その前段階あるいは同時並行で、客観的読解と要約の力をつけていくことが更に重要じゃないかと思っています。
大学入試の読解は、文章をそれ自体で読解し吸収していく力があればもちろん文句なしですが、客観的に文章をスキャンしどこが論旨か特定できる力を養うことができれば、相当解釈が難解な文章でも対応できると思います。そこにはトレーニングが必要ですが、対策はしやすいと思います。
対策をする際にとても良いのは国立大学の国語の問題です。ちょうど良い文章難度のものが多く、当然ながら記述問題がメインになるので、要約力を鍛えるには最適です。海外生こそ、扱いたい題材です。一般入試、しかも国立ということでハードルを高く感じてしまうかもしれませんが、実はそんな必要はありません。
例えば、去年の岡山大学の問題。
設問文の、解答に含むべき項目の指示が明確で、設問文を読むだけでも、要約文の構成の取り方がよく分かります。
題材となる文章は正倉院の宝物の展示について。
文章の難解さもなく、文章量も多くないので、受験生でなくても扱いやすい問題です。
実際に解いてみたい方は、公開されているのでぜひ見てください。
設問は下記のような感じです。
今後の正倉院展の開催のあり方について、どのような理念のものとにどのような施設と展示内容を企画すべきであると筆者は主張しているのか?
ポイントは
①理念
②どのような施設で展示?
③どのような展示内容にすべき?
④筆者の主張をまとめると?
という感じです。
どうでしょうか?
書くべきポイントが明示されていて、構成作りを考える上で非常に参考になります。
では、それぞれのポイントをどうまとめるのか?
受験生でも案外無計画に書き始めることが少なくないのですが、まずは、問われているポイントに対する答えとなるキーワードあるいはキーフレーズを考えるべきではないかと思います。キーワードやキーフレーズを考えることは、質問に対して最も端的に答えるトレーニングにもなりますし、ぜひやってみてください。
この問題でのキーワードはこうなります。
①理念→公益性
②施設→常設展示可能な施設
③展示内容→幅広い展示物
④主張→正倉院の本質が理解できる展示をすべき
このように、キーワードやフレーズをまとめ、そこに肉付けしていくと、量が書けないということも、どうまとめて良いか分からないということも減るはずです。言語化する際には、しっかりと下準備をするという習慣が大切なのだと思います。
海外生で小論文が必要な受験生は、しっかりとトレーニングを積んで来るべき本番に臨んでください。
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